『ポテトブック』 マーナ・デイヴィス

おやすみ図書の11冊目は、ギフトにもおすすめなこの一冊。「ポテトに関して、あなたが知ってなきゃならぬことのすべてを詰めこんだ」この本にいたします。
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ポテトブック
マーナ・デイヴィス 著
伊丹十三
トゥルーマンカポーティ
河出書房新社



ポテトに関するありとあらゆる事が載っている本です。
そしてこの本の全てが「ポテトブック」という名前にふさわしい具合になっています。
まずはポテト畑の真ん中に家が建っているというトゥルーマンカポーティにのる序文からはじまり(この序文のチャーミングな事、ユーモラスな事!) ポテトの歴史、ポテトの保存方法、有名なポテト料理のレシピ、様々な家庭で作られる個人的なポテト料理のレシピ、ポテトのおやつ、ポテトのゲーム、ポテトを使ったダイエット法……ありとあらゆるポテトに関する情報がこれでもかと詰め込まれています。

あまりにもポテトだらけで(そりゃ、だから"ポテトブック"なんでしょうけれども)突き抜け具合がずば抜けています。内容に冗談や偽りといった「茶化し」がない所がまた、グッとくると言いますか、すごく良いんです。
翻訳者の伊丹十三は、ここに書かれたポテト料理を片っ端から作っては家族に食べさせたそうで、どれも目新しくおいしかったそうですよ。

食べ物に関する本でつまらない本はほとんど見たことがありませんが、この本の面白さは突出しているんじゃないかしら。装丁も素敵ですし、沢山の様々なテイストのイラストレーターがこの本の挿絵に参加しているのもユニーク。

こちらはそんな本です。面白いってこういう事を言うんだなあ。

ポテトだらけな内容なだけに、ホクホクした気持ちで心地よい眠りへ案内してくれること請け合いです。