【食べることと飲むこと 02】ガトーインビジブル

林檎のガトーインビジブル

薄くスライスした林檎をケーキ液の中に入れて混ぜ合わせ、断層を作るようにペタペタ容器に重ねていって、焼いたらできる。カットすると断面が美しい、目にも楽しいケーキだ。

私は林檎しか作ったことがないが(何故なら火入れした林檎が好きだから)、スライスできるものだったら林檎に限らず使える。そんな自由さが良いし、とても簡単なレシピだ。
しかし、とろみの強い液の混じった林檎は中々扱いづらい。丁寧に作ろうとしても自分の理想の重ね方にはならなくて、自分の不器用さに苦い気持ちになる。

でも焼き上がって断面を見ると、いつだって意外と悪くないのである。
しかも火入れされた林檎がたっぷりでジューシーだ。美味しい。

2024になった。
年明けに作ったガトーインビジブルを食べながら、昨年も不器用な一年だったし、今年も不器用に過ごす一年なんだろうと思った。
でも昨年も、いい一年だったな。
今年もきっといい年になると思う。