穏やかな夜に 『博物誌』 ルナール

おやすみ前に、少しだけ本を読みたい時。
電気を消す前に、もう少し眠くなるまで何か読みたい。
できれば穏やかな気持ちで、草花を眺めるように言葉を読みたい。

おやすみ図書5冊目は、そんな時にオススメしたいこちらの本にします。


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『博物誌』 ルナール 岸田国士
(新潮文庫)



身近な動物や虫、風景を簡潔な言葉で淡々と書き留めていったという作品。

無駄のない短文で対象をとらえる表現が心地よい一冊ですが、鮮やか過ぎて可笑しいページもしばしば。

孔雀
今日こそ間違いなく結婚式が挙げられるだろう。…


驢馬
大人になった兎。

こんな調子です。
蛇に至っては、ごもっともすぎるこの一言。


長すぎる。


フッ!
と思わず笑ってしまいます。

また、森で偶然出会った野生動物との事を書いた短い文章や、庭の中の植物たちの短い会話劇、飼っている犬や猫、牛や馬に対する文章なども載っていて、それぞれが味わい深いです。

休みの日に、最後のページまでゆっくり読むのもオススメ。