素敵なひとり 『ふくろうくん』 アーノルド・ローベル

「がまくんとかえるくん」誕生50周年記念アーノルド・ローベル展 が3月28日(日)まで東京・立川PLAY! MUSEUMで開催中ということで
8冊目のおやすみ図書はアーノルド・ローベルの絵本『ふくろうくん』にいたしましょう。

何故『ふくろうくん』を選んだのかというと、ふくろうくんのベッドの枕がとても素敵で、今その可愛さに夢中だから。
大きくてふかふかで、見ているだけで心地良く感じるような、とても素敵なデザインなのです。

もちろんおはなしの面白さもお約束します。

アーノルド・ローベルのおはなしは不思議で、ちいさいお子さんが読んでも面白いのに、 子供っぽくないんです。大人が読んでも面白く、素直な気持ちになれる所がいいなと思います。

夜のクスクス笑いのお供に、ぜひオススメです。

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『ふくろうくん』
アーノルド・ローベル 三木卓
文化出版局


ひとりで暮らすふくろうくんの、短い5つのおはなし。
この絵本の1番の特徴は、生き物がふくろうくんただ1人しか登場しないということで、2番目の特徴は、ふくろうくんの毎日がとても心地良さそうという事です。
のほほんとごきげんなふくろうくんの日常は少しシュールで、4コマ漫画でも読んでいるみたい。それにアーノルド・ローベルの描くふくろうくんはとても表情豊か。特に少し間抜けな表情が傑作で、可愛くてつい笑ってしまいます。

5つ全てのおはなしでふくろうくんの魅力は爆発していますが、私のお気に入りは「なみだのおちゃ」。
「なみだ」でお茶を作るというおはなしです。わざわざかなしい事を考えて、涙をためて作るお茶が、少ししょっぱくておいしいんですって。
ふくろうくんのかなしみ方が独特ですし、「なみだのお茶」が好きなふくろうくんは意外と大人なんだなあと妙に感心する、面白いおはなしです。
(ふくろうくんがかなしむ題材も絶妙なので、そちらもご注目を。)

『ふくろうくん』の舞台は主におうちの中ですが、2階建てのちいさくて素敵なおうちなので、私たちは羨ましくなってしまう事でしょう。
私は特にふくろうくんのベッドが好きです。大きくて素敵なふくろうくんの枕は必見ですよ。ふかふかして柔らかそうな、素敵な枕です。
レースが甘すぎない所もいいなあ。
(それにしても、アーノルド・ローベルの絵本ではよくベッドが登場するイメージです。よっぽど夜の読み聞かせのお話を考えていたのかしら。それともよっぽど寝る事が好きだったのかしら。私はがまくんのベッドも中々好き。)

アーノルド・ローベルの絵本は装丁も素敵なので枕元にあるだけでも素敵な夢が見れそうです。