『ミス・マナーズのほんとうのマナー』 ジュディス・マーティン

おやすみ図書9冊目は、アメリカの新聞の人気コラムを本にしたという、こちらのマナー本にしようと思います。

人間関係やマナーの事でモヤモヤしてうまく眠れない時、この本があればきっと心が軽くなって安眠できる事請け合いです。

こちらはそんなとてもありがたい本、寝室にあって損はない一冊です。
装丁もとても洒落ていますし、真面目ですが大いに笑えますので、心が乾いてしまった時の処方箋として持っておく事もおススメです。

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『ミス・マナーズのほんとうのマナー』
ジュディス・マーティン
片岡しのぶ 金則光 共訳
暮らしの手帖社



「親愛なるミス・マナーズ」
から始まる投稿者からのマナーのお悩み相談に、マナーに関して知らないことは無いという《マナーの権威》ミス・マナーズが回答するという本。

「こんな事まで聞いちゃうの?」
と言いたくなる程、投稿者の質問は節操がなく呆気に取られますし、何を聞いてもキッパリと淀みなく回答するミス・マナーズにも
「これも守備範囲内なんだ」
と驚かされるばかりです。


ミス・マナーズはマナーに関する深い知識でどんな質問にも答えてくれますが、注目したいのは、その公平さです。
格式のあるパーティに関する質問でも、人間関係に関する質問でも、鼻の穴の掃除に関する質問でも、全く同じ表情で答えるマス・マナーズの態度の美しいこと。
また、清々しい程ドライでもあります。
それを象徴する一文はこちら。
「マナーとモラルは別物で、ありがたいことにモラルは私の分野ではありません。」


憂鬱な答えがひとつもない、愉快痛快な1冊。

あまりに面白いのでふつうに読みものとして楽しんでしまいますが、ちゃんと最後にお悩み毎の目次索引がある所も素敵です。