おやすみ図書の13冊目は、図録の美しさに心奪われるこちらの本に致します。
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「フローラ逍遥」
澁澤龍彦 著
平凡社
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毎回ひとつの花をテーマに記憶の中や心をおもむくままに散歩する、澁澤龍彦のエッセイ。
ふわふわと心地よい読書が楽しめます。
澁澤龍彦といえばエロティシズム、グロテスク、という印象が強いので、こんな風に素直な文章を書かれる人なんだ、意外な気持ちで読みましたが、定期的にサド侯爵の話が登場するので
「ああ。澁澤龍彦だ」
と、不思議な安堵を感じます。それもまた楽しい。
それにしても、文章と挿絵のようにはさまれる図録が一体となった時の、この魅力よ!
穏やかで美しい本です。
午睡時にうつらうつらと読むにもいいなぁと思います。