おやすみ図書の21冊目はこちらの本に致します。
ほとんどの人が「昔この本を読んだよ」と話すにもかかわらず、ほとんどの人がこの本の内容を忘れています。 でも、何か大切な事が書かれていた気がすると言うのです。
それはさておき、きちんと読み返すと細かい発見もあり楽しいですよ。「王子さまは意外と毒舌だなあ」とか。「それは流石に言い過ぎなのでは…」と思ったり。そういう意味でも面白いです。 キツネは要求が多いし。
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『星の王子さま』
サン=テグジュペリ 河野万里子訳
この不思議な本は、作者のサン=テグジュペリさんがこの本を書く6年前、砂漠に飛行機が不時着してしまった時に出会ったちいさな王子さまとの友情と、王子さまがしてきたという星巡りの話をまとめたものです。
この本は一般的に物語として紹介されていますが、本はあくまでサン=テグジュペリさんのエッセイのような形をとっています。
わたしは初めてこの本を読み終わった後すぐ発熱し、数日寝込みました。多分知恵熱だと思います。その後「どう考えてもあれは物語じゃないか」と、半ばお話を信じこんで知恵熱までだした自分を恥ずかしく思いましたが、今でも時々「いや、もしかしたら本当にあった話なのかもしれないな」と思う時があるのです。
星を眺めて、もしかしたらもしかして、このどこか見えない星の中に、王子さまの星があるのかもなあと思う事は、悪い気分ではありません。
「星の王子さま」を読むと、王子さまがサン=テグジュペリさんにしてくれたお話や、サン=テグジュペリさんがいかに王子さまを好きになったかが胸に沁みて、とても悲しい、それでいて満ち足りた、優しい気持ちになります。
サン=テグジュペリさんが大切に思っている王子さまは元気なんだろうか。 私は私の大切な人に何をしてあげれるだろうか。
そんな事を思いながら微睡む事は、悪い事ではないなと思います。